7月2日からの6日間、今年のYuuの大きな目標のひとつであるPacific Zone Championship(通称Zonal)に参加するため、灼熱のアリゾナ州トゥーソンを訪れた。

この大会は隣接するセクション同士で行われる団体戦で、Yuuが所属するNorCal(北カリフォルニア)以外には、SoCal(南カリフォルニア)、Southwest(アリゾナ、ネバダ)、Hawaii Pacific(ハワイ)、Pacific Northwest(オレゴン、ワシントン)から、総勢144名の選手が大集合。なんともにぎやかでまとまりのない開会式は、まぁ、ここはアメリカの西側だし・・・。同世代が集まるとYuuの小ささがひときわ目につく。「背の低さならナンバーワンだね!」と言ったらすごい目で睨まれた。
大会は5日間。 男女それぞれ6名ずつで構成されたチームが、シングルス12試合、ダブルス6試合を行い、勝ち数で勝者を決める団体戦が総当り形式で行われる。NorCalからは3チーム(36名)が参戦。この大会に限ったことではないが、長年SoCalの独壇場で中々NorCalは勝つことができていない。
Owls と名づけられたチームに配属されたYuuは、女子のナンバー3をおおせつかった。ランキング順(≒強い順)で決まるナンバーで、ちょうど真ん中。対戦相手の各チームの同じナンバーの選手たちとシングルスを戦うことになる。
対戦相手は、対戦順に、
- SoCal
- Pacific Northwest
- SoCal
- Southwest
- 順位決定戦(SoCal)
ということになった(1チームしか派遣していないHawaii Pacificとの対戦はなしで、4チーム派遣しているSoCalとは2チームと対戦した後、順位決定戦で3戦目を戦った)。

Yuuのテニスがどこまで通用するのか、身体が小さいことがどのくらい影響するのか、半信半疑というか期待半分というか、怖いもの見たさとういか。。。。
結果からいうと、シングルス5戦5勝、ダブルス5戦4勝の大活躍。サーブの不調が気になったが、安定したストロークと得意のフットワークで攻守とも不安なしのプレーで勝ち星量産。「あの小さい女の子、すごい強いよ」と、ちょっとした話題になっていた(小さすぎて目立つ存在となることには、いい加減慣れてきた)。Yuuを知らないプレーヤーたちは、小さい子対策の常套手段としてムーンボールを多用。慌てることなくライジングショットやドライブボレーで封じ込めるYuu、全身で「通用しませんよ~!!」と証明する姿がなんとも頼もしかった。

SoCalやSouthwestのプレーヤーたちに共通していたのは、とてもしぶといテニスをすること(日本語だとシコるテニスって言うんだろうか)。攻め急がず、どんなボールでも安定して返球し、相手のミスを待つスタイル。攻撃よりディフェンスに重心をおいてトレーニングをしてるのだろうか。これもYuuにとっては追い風。剛速球で打ち負かされることさえなければ、大抵のボールには対応できる。深くコースを打ち分けたり、ライジングショットでタイミングを外したり、チャンスがあればネットにでる彼女のプレースタイルは、きちんと通用するのだと実感することができた。
一方、グラウンドストロークの速球以外に武器をもたないチームメイトたちの中には大苦戦を強いられるプレーヤーも。打ち込んでも打ち込んでも返ってくるボールに痺れを切らしてミスをしたり、浅く浮いてきた球をボレーで返すことができないために攻撃が甘くなってカウンターを食らってしまったり。これもまた、「ショットの種類を増やす」ことを目標として練習してきているYuuのスタイルに自信を与えてくれた。
リーグ戦は2位で通過。惜しくもSoCalチームに負けて1位通過は叶わなかった。反対のリーグの2位チームとの3位決定戦では別のSoCalチームと対戦。負ければ1~3位をSoCalに占められてしまう状況は緊迫そのもの。しかも、すべてのシングルスとダブルスが終了した時点で9対9の引き分け。勝者決定戦のミックスダブルス(10ポイントタイブレーク)に進むことになった。
大抵のケースで、決定戦は男子女子ともにナンバー1プレーヤーがチームを代表する。しかし今回は、なんと女子はYuuに白羽の矢が立った。コーチ、チームメイトともに、「Yuuが出たらいいと思う」と推薦してくれたのだそう。あらららら、これは大役。ペアを組むのは男子ナンバー1の日本人、Hugo君。普段から仲良くしてもらっているお友達であり、Yuuの憧れのプレーヤーでもある。大舞台に立つムスメを想像して鳥肌が立つAya。一方のYuuはケロっとして、「ヒュウ君とミックスやれる♪♪」と嬉しそうにすらしていた。割と、度胸あるのかもしれない。

ナンバー1同士を組ませて来た相手チーム、見るからに2人とも緊張しているものの、女の子のほうは剛速球のパワーヒッター。彼女にまともに打ち込まれたらYuuでは対応できない。さぁどうなるか。
序盤から積極的に攻めるHugo君、エースを取ったり、ネット前でガチガチになってるボレーやーを狙ってミスをさせたりと、巧みな試合展開を作っていた。YuuはそのHugo君を上手にアシスト。ダブルフォルト1本出してしまったのは痛かったが、それ以外では安定したショットと配球でHugo君のチャンスボールを作ることができていた。2人ともが相手を信頼して助け合ってプレーすると、こういうダブルスになるんだろうな、という良いプレーで、10-7の大勝利!! SoCalチームを2つ倒して3位に入るという、NorCal史上最高の結果をもたらすことができた。
コートに駆け込んでいくチームメイトたち、それぞれの健闘をたたえ、勝利を祝うたくさんの笑顔。暑さにも負けず戦い抜いた5日間の後の達成感。今後Yuuがどこでどんな選手になっていくのかは分からないが、きっと初めてのZonalは彼女の記憶に深く長く刻まれることになるだろう。
<おまけ>
団体戦の醍醐味は、チームメイトがいること。普段はコートの反対がわで対戦しているプレーヤーたちが、仲間になる貴重な機会。その小ささから、マスコット?? ペット?? 妹?? 的に可愛がってもらえたYuu。プールで遊んだり、試合に勝った後で担いでもらったり、帰りのフライトでみんな一緒に座ったり。孤独な戦いを頑張るテニスプレーヤーたちが群れを成す姿はとても可愛いかった。
大学テニスって、きっとこんな感じなんだろうな。