今思えば最初の兆候は、「暑くて眠れない」と、いつまでも眠りにつけなかったあの夜なのかもしれない。普段ならベッドに入れば暑かろうが寒かろうが数分で眠ってしまう彼女が、結局深夜までうにゃうにゃとベッドから出たり入ったりを繰り返していた。
翌日から、「いつもトイレにいきたい感じがする」「おしっこした後にお腹が痛い」と訴え始める。その夜は一晩で5-6回トイレに通ったせいで、一家3人寝不足になってしまった。
この症状にはすぐにピンときた。膀胱炎は、私も子どもの頃から何度か経験がある。
「おしっこを我慢しすぎたり、トイレの時に前から後ろに拭かないと、おしっこの通る道にばいきんが入っちゃうんだよ」と説明すると、Yuuの顔がサーッと青ざめた。病気の経験がほとんどなく、常に健康であるのが当たり前の彼女にとっては、一大事なのだろう。「おしっこの通る道にばいきんが入る」という状況が、彼女の頭の中でどんな地獄絵図となって再現されたのか、想像するとちょっとおかしい。
ともかく翌朝は小児科へ行かねば。放置すると発熱したりして厄介だ。ただ、朝一番は州統一の学力テストだったので抜けるわけにはいかず、かわいそうだがテスト中はトイレも我慢するように伝えて送り出した。
約2年ぶりに訪れた小児科で、問診と尿検査。簡易検査ではなんらかの感染症であることが分かったのですぐに抗生物質が処方され、並行して詳しい検査をしてくれることになった。「お尻は毎日シャワーできれいにしてね」「トイレの後は前から後ろに拭いてね」「水をたくさんのんでたくさんおしっこを出してね」・・・・お決まりの注意事項に加えて先生に言われたのが、「クランベリージュースを飲むといいわよ」。
これは知らなかった。早速調べてみると、確かにアメリカでは尿路感染症を患った時に、あるいはその予防策としてクランベリージュースを飲む人が多いらしい。一方でその効果は証明されたものではなく、むしろ最近発表の研究結果では効果を否定するものもいくつかあるようだ。
クランベリーの薬効は元々はネイティブアメリカン(インディアン)によって信じられ、さまざまな病気の薬として使われていたのだという。ナルホド、だから日本人にはあまり知られていないのかな?!
買ってきたクランベリージュースは100%濃縮還元。砂糖は入っていない。これが、ものすごく酸っぱい!! そのまま飲むには酸っぱすぎるのだが、ここはあえて何も加えず、薬と思って毎朝コップ1杯飲ませることにした。
抗生剤の効果か、クランベリーの薬効か、症状はすぐに落ち着きをみせ始めた。安心した様子のYuu。尿路感染症くらいで「わたし、死ぬんじゃないかしら・・・」みたいな不安な顔するんだから、肝っ玉小さくて笑っちゃう。
でも、1回やると再発しやすくなるし、せっかく処方してもらったんだから、抗生剤は10日間きっちり飲ませようかと思う。