Yuuが通う公立小学校に関する、いくつかの疑問点。
休みの日が多すぎやしないか?夏休み約70日には面食らう。その他にも、Thanksgivingに1週間、クリスマス休暇は2週間強、2月の冬休み、4月の春休みはそれぞれ1週間。おまけに祝日の前後には意味不明の「学校休日」が年間で数日。カリフォルニア州の年間授業日数は180日。合衆国が定める日数の下限なのだとか。
宿題が多すぎやしないか?これは自分の高校時代の経験もあるのである程度覚悟はしていたが、量はともかく宿題の出し方(質)に無理があるようにも感じる。学校でロクに教えもしないまま、「あとは宿題。家で親に教えてもらいなさい。テスト(提出)は○日後。」的なアプローチが日常。担任から保護者宛に発信されるメールにはいつも「自宅で親が子どもの宿題に関与することの重要性」が強調されている。逆に言えば、親の関与なしでは完遂できないような内容であることを認めているようなもの。
「その他教科」が軽視されていないか?体育、図工、音楽などの非主要教科に使われている時間がひどく短い気がする。Yuu曰く、体育のときはひたすらグランドをぐるぐると走る(だけ)らしい。図工の作品を持ち帰ったことは一度もない。音楽で楽器を演奏することはなく、ヴォーカルのみ。
寄付へのプレッシャーが強い。学校に限らずさまざまな活動を寄付によって支えていく習慣があることは承知していたが、教育委員会から保護者に対する寄付の要請がものすごく強い。Yuuが通う学校が属するLos Altos学区では今年、「最低1000ドル/子ども」の要請だった。その額はここ数年毎年200ドル上がっているとのこと。PTA主催の資金集め活動も盛ん。もっとも盛大なのはWalkathonと呼ばれるウォーキングイベントで、子どもたちが校庭を1週歩く(または走る)ごとに保護者たちが一定額を寄付するというもの。身体を動かして資金も集まるという一石二鳥を狙っていることは理解しつつ、「資金集めのための児童労働である」とひねくれた理解をした私は、寄付だけしてイベントは欠席させてもらった。
これらみな、州の教育費予算削減による影響なのだという。カリフォルニア州では不景気による州の歳入減を理由に、過去3年間で180億ドルの教育費予算が削られてきた。対応を迫られた学校や教育委員会がとった策が、施設費用、教員数、教材費、「その他教科」、図書室の削減。Los Altos学区では、昨年度まで各学校に配置していた理科を専門にする教員を全員解雇し、今年度から理科は担任による指導に切り替えた。さらに授業日数を減らすことで、人件費含むランニングコスト削減を図っているという。結果、必要な学習は自宅(保護者)へ押しやられるわけ。合衆国統一テストによる学力検査では、50州で最低。このあたりの学区が「カリフォルニア州トップクラスの成績」であることが、はたして誇れることなのだろうか。
州の教育予算は刑務所運営予算を下回る、という批判も。
教育熱心なわけではない。公立学校教育の状況に関心をもったきっかけは、休みが多いとYuuが家にいて『退屈・たいくつ!』を繰り返すので鬱陶しい、とか、宿題に散々つき合わされて面倒くさい、とか、寄付をしないと非国民的な言われ方をする(なのでちゃんと寄付しました)、などの自分本位なことだった。質/量ともに何が適切な教育なのか、教育水準の高低は何のアウトプットをもって測るのが正しいのかなど、つきつめれば色々あるのだろう。
毎朝エネルギーいっぱいで起床し、分刻みの忙しいスケジュールを笑顔で意欲的にこなすYuu。2つの学校に通う二足のわらじ生活も、不平を言うどころかエンジョイしちゃってるところには脱帽する。最近のブームはランニング。
「きょうはね、昼休みに校庭を8周走ったよ(8周≒3マイル弱≒4.5km)。」
「走ってるときはね、『ぜったいこの1周をさいごまで走るぞ』ってじぶんに話しかけるの。そうすると、なんだか次の1周も走れちゃうの。」
それだけ走ってれば、少なくとも体育の授業不足はカバーできてるね、Yuuちゃん。