北カリフォルニア12歳以下で1位を獲る前後から、2015年は積極的にナショナル大会に出るべきだというアドバイスをもらう機会が増えた。昨年いちど出場した時の経験から、AyaHideともに「なぜ・・?」と思っていた。異なるタイプのプレーヤーと試合ができたり、強豪ひしめく大会の緊張感を味わったり、悔しい敗戦や嬉しい勝利を経験できたり、全米でどの辺りのレベルにいるのかを理解できたりと、メリットが多いのは確か。一方で長旅と高い費用、たびたび仕事・学校を休まなければならないという代償は決して安いものではない。テニスが上達するための類似の経験なら、北カリフォルニアで上の年齢グループの試合に出るなど、工夫次第で十分にできるのではないか。
機会があったのでコーチの1人と話してみると、開口一番彼が言ったのは「マーケティングだよ」だった。「北カリフォルニアテニス協会の中ではYuuのことを知らない人はいない。彼女のように順調に成績をあげている有望なプレーヤーなら、ナショナルレベルでの活躍を売りに、協会から(金銭的)援助がもらえたり、様々なイベントに呼んでもらえたりするようになる。」
ははーん、腑に落ちた。そういうことなら、尚のこと色々な無理をして全国行脚をする必要はないのだ。なぜなら、Yuuは米国市民権をもっていない。テニス協会が援助をする対象は、市民権をもつ“アメリカ人”プレーヤに限られている(至極当然)。仮に目立つ活躍ができたとしても、彼女は支援の対象にはならないのだ。その旨をコーチに話すと、とても驚いた顔をしていた。「で、アメリカ人になる予定はあるのか?」と聞かれたが、お茶を濁す私。もしかしたら、期待をかけてくれていたコーチをがっかりさせる情報を提供してしまったのかもしれない。見識ある選手育成のプロなので、今後の彼女に対する扱いが変わったりはしないと思いたいが。
“普通”のアメリカ人プレーヤーの育成と同じプロセスが適用できない、つまり同じレールに乗らないのだとすると、どんな方法があるのか。いつの日かそんなことが大きな悩みになる時がくるのかもしれない。今はまだまだ目の前の課題が山積で、テニスが上達するために必要なことを列挙したら切りがない。2015年は、経験を広げることも継続しつつ、技術と心身の強さを向上するための策に投資を集中していきたいと思う。
周囲と異なることをするのには勇気がいる。ライバルプレーヤーたちがこぞって全国大会に出かける中で、粛々とトレーニングを続けるのには親子ともに確かな意志が求められる(意志が弱いから、敢えて書き記して自分に言い聞かせる)。練習メニューの充実も課題になる。12歳以下1位の座を1月で明け渡すことを承知で、敢えて勝てない16歳の部で試合に挑むのもそのひとつ。1年後には16歳でマトモに戦えるようになっていたい。そのためにはどんなテニスを目指すのか、今週末の大会は大いに勉強になることだろう。